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遅刻の言い訳

このところブログをご無沙汰していましたが、今日はどうしても書きたくなりました。
今日の朝刊に副大臣が国会の委員会を遅刻して謝罪した記事が掲載されていました。
理由は「事務方の連絡ミス」で、反省点は「省全体の緊張感が足りなかった」とのことです。
「またか・・・」という思いとともに、あらたな違和感も感じました。
まず、「事務方のミス」は、政治資金問題が浮上したときに国会議員がいつも使うフレーズなので、「またか」という感じです。
しかし、よく考えてみると、副大臣は会社でいえば副部長のようなものでしょう。
会社の副部長が経営会議に遅刻したときに「事務担当者のミスで・・・」と言い訳をするでしょうか?
もしもこのような言い訳をしたら、社長から「あなたの部下教育はどうなっているんですか?!」と叱責されるでしょうから、こんなことは言わないはずです。
そして、さらに大きな疑問は「省全体の緊張感が足りなかった」という「反省」です。
緊張していればミスはなくなるのでしょうか?
「担当者が弛んでいたから自分が遅刻した、(自分は悪くない)」という副大臣の本音が聞こえていくような気がしますが、本当に、「事務方」はいい加減な気持ちで仕事をしていたのが原因なのでしょうか?
むしろ、国会対応のために省庁の職員の深夜労働が問題になっている話題の方が気になります。
そして、そもそも今回の問題の真の原因分析がされた、あるいはしようという姿勢がみられないことが大きな問題ではないでしょうか?
私は「原因分析は3つの切り口で」とお勧めしています。
今回の問題も、もしかしたらこんな姿が見えてくる可能性もあるのではないでしょうか?(あくまで想像ですが・・・)
1.人間
・ヒューマンエラー対策が不十分な状態のまま、大声で「ミスゼロ」の号令がかけられている
・必要な配員も不足している。
2.ツール
・仕事の流れや手順が不明確で、在宅勤務等で担当が交代すると仕事が滞る
・昔の様式のままの帳票が踏襲され、使いづらい。
3.環境・運営
・業務上の連絡ルールがあいまいで、急な変更が起きた時に伝わりにくい
・ミスが起きると当事者の責任追及だけで終わり、失敗から学ぶ風土がない
#ミス #原因分析 #精神論

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