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働き方改革と生産性

働き方改革に関連して、定時退社、フレックスタイム、ワークライフバランス等の施策により生産性が上がったという話題が取り上げられています。一方で、最近急拡大したテレワークについては、担当者、若者、女性は「生産性アップ」、経営者、管理職は「ダウン」と感じる傾向があるようです。
働く時間帯や場所を変えただけで生産性が上がるのだろうかという疑問と、テレワークの評価がこのように分かれることに大きな関心を持っています。
【就労率向上と生産性の関係は?】
最近、森川正之氏が書いた「生産性 誤解と真実」(日本経済新聞出版社)を読みました。経済学の視点から、生産性の考え方と、昨今の論点に関するエビデンスにもとづいた解説が分かりやすく書かれています。
その中で、特に興味深い指摘がいくつかありましたのでご紹介します。
まず、「就労率向上は人手不足対策にはなるが、生産性とはトレードオフ」という点です。働く時間や場所の制約を取り除けば、家事、介護、通院等の事情を持つ人たちの就労が可能となりますが、生産性に関してはむしろマイナス面の影響が働いているということになります。
【テレワークと生産性の関係は?】
また、アンケート分析から、「通勤時間が女性の就労形態の選択に強く影響する」という結果が紹介されています。このことから、テレワークが普及すると優秀な女性の勤続が期待できそうです。一方、「家事、自己啓発、仕事がうまくこなせる」ことと、事業体としての生産性は別の問題ではないでしょうか。
このように、「働き方改革=生産性向上」というムード的なとらえ方の落とし穴に注意する必要があります。
【生産性をどのように評価するか?】
このような認識が漂うひとつの原因として、生産性に関する評価がアンケート方式で行われていることが考えられます。アンケートはあくまで問われた個々人が「どう感じているか?」という調査です。そして、森川氏のようにエビデンスを重視する学者ですらアンケート方式に頼らざるを得ないことに生産性定量評価(特にオフィスワーク)の難しさがあるとも言えます。
弊社の研究活動として現在取り組んでいる「オフィスワーク生産性の定量評価に基づくマネジメント」の重要性を再認識する次第です。
#働き方改革 #生産性 #テレワーク

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動画シリーズの「vol.5 改善を進めながら運営・管理する」では、オフィスワークの生産性管理の考え方もご説明しています。

最新刊「これからのオリスワークマネジメント」の第4章第5節では、上記の動画の内容をご説明しています。