「オフィスマイルメソッド」オンライン研修3回目を7月1日(土)に行いました。
今回のテーマは「サービス品質・顧客満足度向上」です。
オフィスワークの本質を踏まえて良いサービスを効率的に提供するための改善アプローチをご説明した後、メインテーマである品質と生産性の評価の工夫と活用についてお話しました。
生産性評価の関心が高まっている
生産性については、働き方改革、そしてコロナ禍での在宅勤務の急拡大などを通じて関心が高まっています。
ChatGPTなど、だれでもAIを使える環境では、ますます個人作業の効率化の話題が増えています。
一方、管理職や「おじさん」世代の人たちは、みんなが集まって「ワイガヤ」をやらないと生産性が下がると感じる傾向にあるようです。
「ハイブリッドワーク」が定着しつつある中で、在宅勤務の生産性評価は引き続き切実なテーマです。
また、仕事の手順の点検、過去のトラブル事例のレビューなど、「地味だけど大事な仕事」をバランスよく進め、またその取り組みを正しく評価することは引き続き重要な課題です。
オフィスワークにおいても品質や生産性評価が重要だけど、どうやればできるのか?というお悩みへの具体的な提案を今回のセミナーでお伝えしました。
評価の目的と考え方
まず、大事なことは、品質や生産性の評価の目的は何か?ということです。
ズバリ、これは「より良いサービスを、より効率的に提供する」ためのマネジメントの指標というのがその答えです。
したがって、どのような指標を設定し、どのレベルを目標とするかは、その業務、オフィスの方針や実態に基づいて決める必要があります。
その上で、評価の方法、特に難しいと考えられている定量的(数字で表す)手法を今回のセミナーでご提案しています。
オフィスワークの品質評価手法
具体的な方法としては、KPI(Key Performance Indicator=主要業績評価指標)を使い、その業務のコアの活動、地道に取り組むべき活動、スポットの改善活動等の実績を定量的に評価します。
顧客満足度調査のスコア、事務ミス件数などは最終的な「結果」と考え、それに至るプロセスの活動状況を定量評価しながら、最も効果的な取り組みに集中するというマネジメントを行います。
これにより、例えば「前期から、過去のトラブル事例レビューを行ってきたので、今期の事務ミス件数が減った」などのかたちで実績を評価し、翌期の活動計画に活用することができます。
オフィスワークの生産性評価手法
生産性の評価でもKPIを活用します。KPIを使って評価した活動実績を分子、経費(人件費等)を分母として、生産性を算出します。
この際重要なことは、実務の中では予期せぬミスやトラブルが起きることがあり、それに伴う修復作業等の計画外のコスト(人件費等)が生じます。
ともすると見過ごされがちですが、このようなロスが事業活動に与えているマイナスの影響もあわせて評価することによって、より効率的な活動が可能となります。
したがって、生産性算出式の分子は「活動実績ーロス」とする必要があります。
受講者のみなさんからいただいたコメント
2時間のセミナーの最後の30分を使って、受講者の方々と意見交換をしました。
金融機関や保険会社の事務管理部門で現場マネジメントに長年取り組んでいる方々のほか、経営者の立場、製造業の生産管理の立場からそれぞれ意義深いご意見をいただきました。
主なポイントは以下のとおりです。
- 生産性に関してはESが重要、経営にも関心を持ってもらいたい
- 経営の立場からは、定量化できること、長期的な評価ができることが本日消化された手法のメリット
- 事務改善提案件数を評価するだけでは不十分、その後のフィードバックが重要
まとめ
今回で3回目となるこのシリーズ、熱心なリピーターの方々がいらっしゃることにありがたく感謝します。
今回は、オフィスワークの生産性マネジメントに関してこれまでの研究活動をあますところなくご説明した上で、その実務的な手法を含めてご説明できた初めての機会となりました。
実務経験だけでは汎用的な解決手法は生まれません。
また、研究論文をそのまま実務に使うことは困難です。
研究を裏付けに経営と現場に貢献するというコンセプトでとりくんできた弊社の取り組みにとって、新しい1ページが開かれたと実感しました。
セミナーの中での意見交換はいつも時間が足りない、と感じますので、今後は、フォーラムような企画も考えたいと思います。
「オフィスマイルメソッド」は、まさにみなさまのとの共創で発展していきます。
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