血圧管理のための薬をいつもの薬局で受け取り、帰宅した袋から出すと、まるで違う名前の薬が入っていました。驚いてその薬局に電話をすると、すでに営業時間が終わっていたため留守電に状況を伝えるメッセージを入れました。
翌朝、薬局からお詫びの電話があり、本来受け取るべき薬を郵送してくれるとのことでひとまず落着しました。
後日、その薬局から顛末の説明と、再発防止策について伺う機会がありました。薬を入れた袋に、薬の名称とともに実物の写真を表示し、スタッフによる確認と、最終的に患者に渡す際の確認の精度をアップしたとのことでした。写真表示に関してはシステムの仕様変更も必要でしたが、迅速な対応に敬意を表した次第です。
しかし、詳しい事情を聴いた結果、今回のミスは「単純ミス」ではすまされない悩ましい背景があること知りました。まず、医院が発行する処方箋には、商品名が表示されている場合と、一般名が表示されている場合があり、これは不統一とのことだそうです。さらに、処方箋に商品名が記載されていている場合でも、薬局の判断でジェネリックを処方していい場合といけない場合があり、それは処方箋を出した医師の方針と患者の意向の両方に基づくものだそうです。
そうなると、場合分けが複数発生し、都度考えてクスリの妥当性を判断しなければなりません。
ミスの温床ともいえる複数の場合分けを正確に判断する工程がそのまま残っており、これはその薬局の努力だけでは解決困難と言わざるを得ません。むしろ、このような「柔軟な対応」が、調剤薬局の競争力となっている可能性があります。医療制度全体の中で起きている「無理」や「歪み」が、川下の工程である調剤薬局の窓口にしわ寄せされているように見えます。
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