学会イベントに参加して

私が所属している2つの学会のイベントに参加しました。
ひとつは日本経営工学会の春季大会、もうひとつはその翌週の日本品質管理学会の研究発表会です。いずれも冒頭に基調講演等があり、続いて複数の会場に分かれて研究発表が行われます。今回は2つの企画を合わせて計約30件の講演・発表を聴講しました。

【今回の学び】

私の研究テーマであるオフィスワークに関するものはあまり見当たりませんでしたが、大手コンサル会社がマーケット分析のような定型的な業務を対象に知的生産業務の標準化に取り組んでいる事例はとても参考になりました。
チュートリアルセッションでは、AI時代だからこそ統計の重要性、さらに「統計家」といわれる専門職の育成の重要性を指摘する講演の中で、古くは夏目漱石もロンドンで統計に関心を持っていたなど、興味深いお話を伺いました。
今回の気づきとしては、イノベーションの原点は既存手法の組み合わせによる新たな可能性の創出であることをあらためて実感した次第です。

【会場?オンライン?】

コロナ禍以降、学会イベントもオンラインで開催されてきましたが、最近の情勢変化を反映して経営工学会は「ハイフレックス開催」(会場参加、オンライン参加の選択自由)でした。私はオンラインで参加しましたので移動等の負担がないメリットを享受できましたが、会場の音声がこもったような形でしか聞こえない場面もあったのが残念でした。
今後、イベントは会場方式をベースとしながら「オンラインでも参加できる」という形式が増えると予想されましすが、運営サイドではインフラ運営負担が増え、オンライン参加者の条件(音声など)が劣後する点をどうするかが課題と考えます。
確かに、オンライン方式だと名刺交換のような交流ができないことがデメリットとして挙げられます。しかし、これもブレイクアウトルーム等の機能を活用して情報交換や挨拶の場を設けるという工夫も可能と考えますので、今後の改善に期待したいところです。

【今後の課題】

研究発表は最後に「今後の課題」の説明があります。特に手法提案研究などでは、「今後、実証の機会を得て検証したい」という趣旨の発表も多くみられます。是非、実証して、磨きをかけて実社会で活用できるまで取り組んで欲しいと感じます。
そして、これは決して他人事ではありません!私も「オフィスワーク生産性定量化手法」について今年は大学研究室との共同研究の機会をいただきましたので、昨年の仮想検証を踏まえて手法の改良とシミュレーションツールを活用した検証に取り組む所存です。
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